インドの調和

先週に過激化した市民権に関するデモは少し落ち着いたような気がします。一時は、リシケシの友人が、デリーを離れてリシケシに来た方がいい、トマスさんも、ケララに戻って来た方がいい、と次々にメッセージをくれるので、そんなに大変な状況なのか…と思いました。でも、デモによる死者数も増えています。とてもデリケートな問題だけに、なんとかうまく進んで欲しい。

まだ通信規制が行われている地域もあるようで、インドは通信規制大国と伝えられていましたが、確かに、誤った情報に扇動されることも少なくなく、特に教育水準の低い人は、政治的に利用されてしまうこともあるそう。今回のデモでも、「訴えたいことは?」と聞かれて「にんにく(問題の玉ねぎでもない)がすごく高い!」と述べている人もいて、なんだかよく分からないけど、とりあえずみんなが騒いでるから騒ぐ、という状況もあるよう。


ケララにいたときに、トマスさんがケララの山岳部に住む人々の話をしてくれました。彼らは山岳部に住む部族で、街に住む人々からは、山を守る人々として大切に見られています。山で栽培できるものなどを栽培して、街に下りてきて売り、若干の収入を得ていくようです。その際に、動物を殺しに来る人たちがいると、街の人と世間話をするそうなのですが、街の人が密猟者だと気づいて警察に通報すると、密猟者によって部族の人々の住居が破壊されたり、危険な目に遭うのだそう。

政府で部族の人々が安全に住めるコミュニティのようなものを設けているようなのですが、山を守る者として、部族の人々はそれぞれが一定の間隔を持って住居を構えるようで、そういったコミュニティの生活に馴染めない。何より、彼らが守ってきたように、誰かが代わって山を守ることはできない。

今大きなニュースになっているのは、簡単に言えば、イスラム教徒以外の移民に市民権を与えるというものですが、問題は本当に複雑で、上記のケララの山岳部に住む人々のような、インドの少数派の民族の生活が脅かされる危険があることも一つの問題になっています。

最初にデモが激しくなったアッサム州周辺では、インド国籍を求めるヒンドゥー教徒の流入によって、先住民族の伝統が脅かされるという反発もあるそう。でも、インドではヒンドゥー教徒の数が減り、イスラム教徒の数が増えているとも言われます。私もヨガを始めヒンドゥー教の教えにたくさん学んでいるので、その教えが衰退することなく続いて欲しいと思いますが、なんだか強硬なやり方が続くし、インドには本当に多様な文化や伝統が生きていて、それらが織りなす独特の雰囲気や調和が大好きなので、なんとか平和に進むことを願うばかりです。