ガル・ワープスィー

昨日はインドの一部地域で新年が祝福されていました。インドの新年は、各地域や慣習で用いる独自の暦に従ってさまざまなので、「これがインドの新年です」と言える時はありません。

ケララもヴィシュと呼ばれる新年が昨日にあたりますが、クリスチャンであるトマスさんはあまり関係ないよう。

最近、注目しているニュースが「Ghar Wapsi」。Ghar=ガル(home,家)、Wapsi=ワープスィー(coming,戻ってくること)で、一言でいえば、家に帰ること。何かと言えば、ヒンドゥー教徒ではない人々(もともとヒンドゥー教徒だった人々)に、ヒンドゥー教徒への改宗を推し進める動きです。

そんなに大きなニュースではないのですが、インドのreligious intolerance(宗教の不寛容)は先日オバマ大統領がインドを訪れた際にも言及していました。(「ガンジーもショックを受けるだろう」というようなことを言っていた気がします。)

例えばダリットの人々。カーストにも入れないダリットの人々は、カースト制から抜け出すために、宗教を変える人々も少なくありません。実際にダリット村にもクリスチャンの方々が多くいます。そんな人々に、家に帰ってきなさい=ヒンドゥー教に戻りなさいと推し進める動きが出ています。ガル・ワープスィーは、ヒンドゥー教徒の数を維持・増加させたい動きのようですが、ヒンドゥー教に戻ったらまたダリットで、たくさんの差別を受けます。(それでなくても差別を受けています。)



私がインドが大好きなのは、ありとあらゆるものが共存しているから。数え切れないほどの言語と、思想と、宗教と、慣習と、動物と、人間と、自然と、そして神様も、混沌とはしていますが、何もかもが一緒にあるので、本当に学ぶことがたくさんあるのです。

思想や宗教には誰もが自由であるべきはず。

インドに見えるガル・ワープスィーの動きがちょっと気になっています。