先住民族の生活

今日の写真は、少し前に届いていたものになりますが、森林地帯で暮らす先住民族、アーディヴァーシーの人々への支援を行った時の様子です。

アーディヴァーシーの人々は、森を守る大切な役割を担っていますが、生活がとても不安定で、外からの支援が欠かせません。
政府による支援もありますが、とても限られていて、今はSEEDS-INDIAの支援が欠かせないものになっています。
今回も、栄養価のある食料品や、衛生用品が主なものになっています。












ケララ州の森林地帯で暮らす先住民族(アーディヴァーシー)は、もともと森の中で自給的に暮らす人々だったとされています。
狩猟や小規模農業、採集を通じて、自然と共生する生活を送り、土地は個人の所有物ではなく、共同体全体の共有資源として、境界や登記の概念もほとんどなかったといいます。

しかし、国の政策や開発計画、森林保護の名のもとに、その土地は次々と「国有地」や「保護林」として取り上げられていきます。
アーディヴァーシーの人々は、正式な所有証書を持っていなかったため、法律上は無権占有者とされ、長年暮らしてきた土地から追い出されてしまいます。
そして、森は伐採され、道路が通り、外からやってきた人々が新しい農園をつくり始めます。
アーディヴァーシーの人々が住んでいた土地は他人の手に渡り、残されたのは狭い集落と、日雇い労働でつなぐ不安定な日々だけになったと言われます。

インド最高裁判所はケララ州政府に対し、失われた土地をアーディヴァーシーの人々へ返還するよう命じました。
こうして法の上では彼らの権利がようやく認められたものの、現実はほとんど動いていないといいます。
「森林の境界が複雑」「移転に時間がかかる」などとされ、今も土地は戻らないままになっていると言われます。

その間にも、アーディヴァーシーの家族たちは狭い家に何世代もが暮らし、水場を共有しながら、かろうじて日々をつないでいます。
農業をしたくても土地がなく、森に戻ることも許されないといいます。

今もアーディヴァーシーの人々の抗議活動が行われている地域もあると伝えられていますが、
少しでも良い方向に動くことを願いながら、人々の生活の力になることができるように、支援を続けていくことができればと思います。