再びニパウイルス

今日の写真は、病院での配給の様子です。
引き続き、パンやバナナ、お水などを皆様にお配りしています。

ケララ州では雨季に入って2ヶ月近くが経とうとしていますが、これまでのところ病院の周辺地域の状況は落ち着いています。
でも、ケララ州の一部の地域ではニパウイルス感染症が深刻になっており、安全対策が欠かせなくなってきています。
どうか皆さんが安全に活動を続けられるように願ってなりません。






ニパウイルス感染症は、ケララ州で繰り返し発生しています。
2018年以降、ケララ州は国内でも特に感染の多い地域となっていて、今年の7月を含めて、8回目の感染の流行が確認されました。
今月の流行では4人が感染し、うち2人が亡くなり、濃厚接触者は600人以上、その中には高リスクとされる人も含まれているとされます。
これを受けて、現在は州当局が厳重な監視と感染防止対策を講じていると伝えられています。

ニパウイルスの主な感染源は果実を好むコウモリとされています。
コウモリが果物に排泄物や唾液を介してウイルスを残し、それを人間が摂取することで感染が広がると考えられています。
そして、このコウモリの活動が活発になるのが、この雨季にあたるとされています。

ケララ州は熱帯気候に属し果実の栽培が盛んで、さらに都市化と人口密度の高さによって人と野生動物の接触が避けにくい環境にあります。
こうした自然的・社会的条件が、感染の繰り返しを招いている背景にあるとされています。

それでも、ケララ州は感染症対策において非常に高い水準を保っている点が注目されています。
2018年の大規模感染を機に、州政府は研究所を設立し、監視体制や医療連携の強化に取り組んできました。
感染が確認された際には、即座に接触者を特定し隔離・検査を行う体制が整っていて、医療従事者には防護具の着用が義務づけられるなど、感染拡大の封じ込めに力を注いでます。

どうか状況が穏やかに収束することを願うばかりです。