ケララ州の歩み
雨季のモンスーンが終わったところですが、何日か前にはケララで豪雨になり、被害が出ている地域があるとニュースにありました。
まだまだ雨が強まることがあり、12月頃までは気を抜くことができません。
引き続き、自然が穏やかであることを願うばかりです。
今日の写真は病院での配給の様子です。
雨季が終わるとインドは乾季になり、地域によって差はありますが、3月頃までは比較的穏やかな気候が続きます。
でも、ケララはまだ雨が強まることがある上に、サイクロンが発生することもあります。
北インドのデリーでは大気汚染が深刻になり、人工の雨を降らせるというニュースもありました。
それでも、ケララではこの時期は病院の状況も落ち着く時なので、人々が健やかに過ごせるように願いたいと思います。
ケララのニュースで気になるニュースがあったのでまとめておきたいと思います。
というのも、ケララ州政府が「極度の貧困がなくなった」と公式に発表し、ケララ州がインドで初めて“貧困ゼロ州”となったというニュースです。
州首相は、「ケララは社会指標でアメリカより良い結果を出している」とも伝え、話題になっています。
ケララでは2021年から、極度の貧困に苦しむ家庭を一軒ずつ調べ、食事・住まい・医療・仕事など、生活の基本が足りていない人を支援してきたと伝えられます。
たとえば、家を建て直したり、土地を提供したり、就職を手助けしたりと、家庭ごとに「マイクロプラン(小さな支援計画)」を作って支援を続けているとされます。
その結果、国際的な基準で見ても、極度の貧困状態にある人はほとんどいなくなったと伝えられます。
さらに州首相は、ケララの教育や医療の水準についても示しています。
母親の死亡率は10万人あたり18人で、アメリカの22人より低い。
乳児死亡率も出生1000人あたり5人と、アメリカの5.6人を下回っています。
識字率は96.2%と、アメリカの約79%より高い。
アメリカとは人口構造、経済構造、社会政策、福祉制度のあり方が大きく異なるため、単純比較では同じ土俵とは言い切れない部分がありますが、「ケララは小さな州でも、人々の幸せを大切にしてきた」と伝えられています。
一部の専門家は「調査方法やデータの公開が不十分ではないか」と指摘し、支援が届いていない家庭がないか、継続的な見直しも必要とされています。
社会指標が優れていること=すべての課題が解決されたというわけではないため、それを続ける努力がさらに大切だとも伝えられています。
それでも、ケララ州の取り組みが示すものは明確で、経済の規模が大きくなくても、教育・医療・地域のつながりを重視することで、人々の暮らしを豊かにできるということが示されています。
SEEDS-INDIAの活動地域でも、まださまざまな課題は残っています。
それでも、子どもたちが少しずつより良い教育を受けられるようになり、家族が安定した暮らしを築けるようになっています。
その一歩一歩を支えてくださっている皆さま、本当にありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。





