乾季と子どもたちと支援のこと

今日の写真は毎月の教育支援を行う子どもたちへ、施設で生活物資の支援を行った時の様子です。
子どもたちや家族の元気そうな姿を見ることができて、とても嬉しく思います。

11月のケララは、雨季(モンスーン)が終わり、空気が澄んで過ごしやすい季節を迎えます。
湿気が和らぎ、朝夕には涼しい風が吹き、日中も安定した晴天が続くため、子どもたちが学ぶ環境として非常に整っている時期です。
学校でも主要科目の学習が進むほか、12月以降に控える試験に向けて復習や課題も増えていきます。
気候が穏やかになる今は、屋外活動やスポーツにも適しており、子どもたちは心地よい気候のなかで授業やクラブ活動に取り組みます。
遠足や校外学習が行われることもあり、自然豊かな環境の中で、教室外の経験も重ねながら成長していく季節です。

良い季節を迎える時ですが、ケララはインドの中でも物価高が続いており、子どもたちの家族も生活は容易ではありません。
支援物資を通じて、少しでも子どもたちが学習に集中し、こうした豊かな経験を育んでいくことができればと思います。
















前回の更新で、ケララ州政府が「極度の貧困がなくなった」と公式に発表というニュースをまとめさせていただきました。
これについて、SEEDS-INDIAでも支援を行う先住民族アーディヴァーシーのある団体が強い異議を唱えているようです。
この団体は、ケララ州政府の宣言が貧困層、とりわけ先住民族コミュニティが抱える深刻な困難を覆い隠すもので、政治的パフォーマンスに過ぎないと主張しています。

アーディヴァーシーの人々が多く暮らす地域では、子どもの栄養失調や発育不良が長年深刻な問題となってきました。
複数の研究では、5歳未満の子どもの半数以上が栄養不良とされ、妊婦や若い女性の貧血率も極めて高いことが示されていると言います。
また、多くの家庭が土地や十分な住居を持たず、不安定な生活を余儀なくされているとされます。

ケララの雇用環境も厳しく、農作業の機械化や移住労働者の増加により、地元住民の仕事は減少しています。
教育を受けた若者でも職が見つからず、最低賃金を下回る日雇い労働に頼る人が多い状況にあり、結果として、無料配給制度に生活を支えられている家庭も少なくないとされています。

一部の地域では、乳児死亡が繰り返し報告されており、最新の調査では子どもの約半数が体重不足、思春期の少女の9割以上が貧血という深刻な実態も明らかになっているとされています。
SEEDS-INDIAが支援を行う地域に暮らす人々も、自然災害や気候変動の影響を受け、生活が不安定化しています。
こうした現状から、アーディヴァーシーの団体は「極度の貧困ゼロ宣言」を撤回し、生活実態を正確に把握する調査を行うよう州政府に求めているとされています。

確かに、SEEDS-INDIAの活動地域でも多くの課題が残っています。
それでも、少しずつ良くなっていることは確かなので、引き続き、支援を必要とする人々に手が届くように、SEEDS-INDIAが行う草の根の活動を支えていくことができればと思います。

皆さま、いつも本当にありがとうございます。