再び雨が強まる
インドの各地で雨季のモンスーンが終わりましたが、ケララ州ではここでまた雨が強くなって、警報が出ている地域があります。
乾季に入りつつあっても、この時期は雨が強まることがあるので心配です。
2017年には、12月1日〜4日にかけて、インド・スリランカに大型サイクロンが接近し、各地に大きな被害をもたらしました。
どうか穏やかに過ぎ去ってくれるように願ってなりません。
今日の写真は、出稼ぎ労働者が暮らす地域で、生活物資の支援を行った時の様子です。
かつての豪雨災害で大きな被害を受けた地域です。
乾季はそれほど雨が降らず、もっとも暑い時期に比べれば気温も少し下がるので、過ごしやすく、仕事も捗る時です。
でも、まだ完全に乾季というわけではないので、こうして雨が強まれば、仕事が得られないこともあります。
日々の暮らしが常に不安定だからこそ、物資の支援がほんの少しでも生活に安定をもたらす力になればと願っています。
不定期ではありますが、こうして継続して顔を合わせることも心強いサポートになっているようです。
乾季に入りつつある11月後半のケララ州で雨が強まる背景には、いくつかの気象的な要因が重なって生じる季節性があります。
一般にインドでは6月から9月にかけて南西モンスーンが吹き込み、もっとも雨の多い季節を迎えますが、その雨季が終わったからといってすぐに乾いた季節に切り替わるわけではありません。
10月から11月にかけては、冬のモンスーンとも言われる北東モンスーンの時期で、南西モンスーンが去った後に大気の流れが反転し、ベンガル湾からの湿った風がインド南部一帯に吹き込むようになると言われます。
本来、この北東モンスーンはタミル・ナードゥ州に多くの雨をもたらすことで知られていますが、その風の流れ方や低気圧の位置によっては、隣接するケララ州でも短期間に雨雲が発達することがあります。
この時期に雨が強まりやすいもう一つの理由として、ベンガル湾で発生する低気圧やサイクロンの存在が挙げられます。
11月はサイクロンの発生がもっとも多い季節のひとつで、発生すると広範囲にわたって湿気を引き込みながら南インドに接近し、陸地に大きな雨雲をもたらします。
サイクロンが直接ケララに上陸しない場合でも、その外側の雲や風の循環によって、ケララ沿岸部や山岳地帯に強い雨が続くことも珍しくないとされます。
さらに近年では、アラビア海の海面温度が高い状態が続く傾向にあり、ここでも低気圧が形成されやすい環境が整っていると言われます。
アラビア海側で発達した低気圧がケララ付近に広がると、海上から大量の湿った空気が流れ込み、乾季のはずの時期にまとまった降雨をもたらす原因となるとされています。
こういった自然の季節的な要因に加え、気候変動も無視できないと言われています。
インド洋全体の海水温が高い状態にあると、モンスーンの終わりが遅れたり、移行期の気候が不安定になったりすることが指摘されています。
今回もまた警報が出ていますが、乾季に入りつつある11月であっても、こうしてケララでは雨季を思わせるような雨が降ることがあります。
過ごしやすい季節を迎える時ですが、引き続き自然の穏やかな巡りを願いながら、人々の生活が安全であるように願いたいと思います。
皆様、いつもありがとうございます。








