先住民族の暮らしと森のこと

今日の写真は、森林地帯で暮らす先住民族、アーディヴァーシーの人々への支援を行った時の様子です。
子どもたちの栄養失調などが深刻なので、引き続き、栄養価のある食材や衛生品などを中心に生活物資を支援しています。

昨日12月6日のニュースになりますが、ケララ州の北部の森で、トラの個体数調査に入っていた森林職員が野生の象に襲われ命を落としたというニュースがありました。
亡くなった職員は先住民族の集落に暮らしていた52歳の男性で、森に近い環境に生きる人々が置かれる状況の延長に、この事故があったことが伝えられています。

この支援の際にも、象やトラに出くわす危険性があり、とても慎重に動かなくてはならないようです。
日本でもクマのニュースが毎日のように伝えられているので、これまで以上に、森で暮らす人々の生活について考えることが増えたように思います。
本当に複雑な問題があるようなので、良い方向に動くように願いながら、できる支援を継続していくことができればと思っています。















少し前の投稿でまとめさせていただきましたが、アーディヴァーシーの多くは正式な土地の権利が十分に認められておらず、仮の居住地や限られた農地に頼る生活を続けているとされます。
生活が不安定であるほど、生計の手段は森林と結びつかざるを得ず、採集や農作、保全活動などで森の深くに入ることで、野生動物との遭遇や衝突のリスクが日常に存在してしまうようです。

ケララは自然と文化の豊かな土地であり、野生動物の保護や森の保全も重視されてきました。
象やトラの保護もその一つであり、全体としては生命を尊び、自然を守る思想が根づいています。
でも、森の保護区が広がるにつれ、人々の暮らしとの境界が近づいたとされています。
古くから森に深く根ざした生活様式を持つ人々にとって、この境界の変化は時に負担となり、今回の出来事のように避けがたい衝突へとつながることがあるようです。

行政は電気フェンスの設置や応急の対応を試みているようですが、根本的な問題は土地や生活の基盤が脆弱なままであることにあるとされています。
土地の権利が確立し、安定した生計が保障されれば、人々の暮らしと森林との距離も見直され、衝突の頻度が減る可能性があるとのこと。
森をよく知る先住民族の知恵や経験が、保全や管理により積極的に組み込まれる仕組みが整えば、自然と人との関係はより持続的な形へ進むとも考えられています。

課題は多くあるようですが、さまざまな対策が講じられ、議論も進んでいるので、引き続き良い方向に向かうことを願いたいと思います。

次回のご寄付の送金になりますが、クリスマス頃には送金できればと思っています。
完了した際には、改めて更新させていただきます。
皆様、いつも本当にありがとうございます!