一年の感謝

今年のケララ州は、ここ数年繰り返し暮らしを脅かしてきた大規模な水害に見舞われることなく、比較的穏やかな一年を送ることができました。
自然の脅威に怯えながら日々を送る緊張感が和らぎ、穏やかな日常を取り戻しつつあります。
近くを流れる大きなパンパ川が雄大に流れ、不安を感じることがない日常は、当たり前のようでいて、実はとても貴重な時間なのだと気づかされます。

それでも、生活が安堵に満ちているわけではありません。
物価の上昇は家計を圧迫し、近年ますます予測が難しくなっている天候は、人々の仕事や暮らしに影を落としています。
決して平坦とは言えない日々の中で、人々は立ち止まることなく、お互いに支え合いながら懸命に生活を紡いでいます。
これも皆様のご支援のおかげです。

キリスト教徒の多いケララ州において、クリスマスは一年の中でも特別な意味を持つ、希望と喜びに満ちた祝祭の時です。
常夏のケララ州でも、この頃になると少し気温が下がり、日が暮れるのも早くなります。
その夕暮れの中で、家々に明かりがともり、人々の表情にも、あたたかな喜びが広がっていくのが感じられます。

SEEDS-INDIAでも、フードサービスを行っている病院で、入院中の患者さんや付き添いのご家族に、心ばかりではありますがケーキをお配りすることができました。
私も大好きなケーキですが、ケララ州で長く親しまれているのは、ドライフルーツをふんだんに使った、香り豊かなプラムケーキです。
一切れのケーキでしたが、甘く豊かな味わいは、治療や看病で疲れた心をそっと包み込み、ひとときの安らぎをもたらしてくれたものと思います。

もっとも暗く、先の見えにくい時であっても、こうした小さな喜びや、人と人とのつながりの中に、確かな希望の光を見いだすことができればと願っています。










困難な状況の中にあっても、人々が希望を手放さず歩み続けることができるのは、遠く離れた日本の皆様が変わらぬ思いを寄せ、支えてくださっているからにほかなりません。
現地では、皆様への尽きることのない感謝とともに、新しく訪れる一年が、皆様一人ひとりにとって平安に満ちたものとなるよう、お祈りが捧げられています。

人々がお互いに尊び合い、調和のうちに生きる世界を目指して、私たち自身もまた、この歩みの中で学び、少しずつ成長していくことができればと心から願っています。

皆様、今年もあたたかいお気持ちをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
来年もまたどうぞよろしくお願い申し上げます。
寒さが厳しくなりますので、お身体にお気をつけて、どうぞ良い年末年始をお過ごしください。

※申し訳ありません、ご寄付はまだ送金の準備中です!
完了しましたら、改めて更新をさせていただきたいと思います!
いつも本当にありがとうございます!